Ⅲ 「レポート作成」へ

 ― インプットである「あらまし読み」を越えて、つぎにどうするか?―

 

1.  「書く」ことの実例

「あらまし読み」「2度読み」「3度読み」……と「書くこと」の往還

【 実践例 】 書くことに注目した4つのSTEP

 

Ⅰでは、読むことが苦手な学生さんに、「読むこと」のハードルを下げる「あらまし読み」(インプット)からのスタートを提案しました。

つぎは、「Ⅲ レポート作成」(アウトプット)に向けてのトレーニングです。

 

大学の受講生のレポートを読んでいると、レポート全体の構成能力が弱いことに気づきました。どうやら思いついた順番に作文していく形で書いているようです。

 

そこで、【 実践例 】 書くことに注目した4つのSTEP にしたがって、書くことも俯瞰的に繰り返していく方法を取ります。

上図の4STEPを上りながら、「読んでは書く」という手書きやWord入力を繰り返します。

以下に、授業実践で、受講生が書いた作品の一部分を紹介します。

 


【 例1 】 味見読書の結果を「情報カード」(B6判 128×182)に手書きした例

注)2021年愛知教育大学附属図書館の「本嫌いを74(なし)にする展示」企画中、学生の味見読みを情報カードに書いてもらい、企画期間中、壁に掲示しました。関心のある本の情報カードに吹き出し付箋で、他学生との交流も可能にできました。



【 例2 】「あらまし読み」【STEP2】【STEP3】でのメモ・マップ例

情報読書の本は、読みながら即座にメモを取る・マップを描く習慣をつけます

STEP3 「興味読み」のマップ図「川のフォーマット」

STEP3 「興味読み」のマップ図「読書」



【 例3 】 レポートをイメージした手書きの「構想メモ」

A4判の白紙を6等分して、各1/6に、手書きで、決められた項目をメモします。

「手書き」の自由さと”word”の整理との違いに気をつけ、

場面ごとに自分で判断して使いこなしましょう。

これから書いていく「構想メモ」「ミニレポート」「最終レポート」は書き終えてから、

必ずだれかと対話交流し、コメントをもらいそのコメントへの対応を報告する習慣をつけます。

 

 

【学生の書いた構想メモ】  ※学生の書いた手書きをもとにサンプルとしてあげました



【 例4 】 ミニレポート(800字程度)

最終レポートで取り上げたい2冊のそれぞれのミニレポート   

箇条書きの構想メモから、文章化することを練習します

 



【 例5 】 最終レポート(1500字~2000字)

2冊のミニレポートを踏まえ、さらに2冊を一つのレポートに取り込み「最終レポート」へ

2冊を「自分の課題」に合わせて、関連づけて文章化していきます。

この関連づけのプロセスで、「考える」ことが重要になるのです。

 



【4つのSTEP】を終えてから

【 例6 】「振り返りレポート例」(自分の読書生活へのメタ認知)

《 構成 》

小学校から高校までの読書生活
 受講期間中4か月の「読書生活」
今後、半年間の読書計画

読む技術も書く技術も、繰り返し練習のなかで身につき、考察も深まる

いま、レポート課題のある生徒さん、学生さんは、

あらまし読みを複数冊繰り返し、書くことも重ねて、レポートへとつなぎましよう。

 

読むインプットが進むと、書くアウトプットが自然に進みます!

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