Ⅰ 「あらまし読み」実践

4. シート活用―STEP2

「序章読み」

「序章(はじめに・プロローグ)」などには、つぎの4点が書かれていることが多いです

 

●その本に掲げた課題、題名の内容

●その課題を取り上げた理由

●この本で伝えたかったこと(結論)の概要

●本の中の構成とその概要

 

序章を読んでみれば、これから読む本の観点を、俯瞰することができます

●「序章」は本によってページ数が異なっています。まず、序章が何ページあるのかを(   )の中に記入しましょう。「序章」という表現ではなく「はじめに」「プロローグ」などという場合もあります。

●「序章」がない場合、「終章」でもよいかという問題があります。「終章」に、「序章」に期待する内容が書かれているとは限らず、本を書き終えた読後感やお世話になった方々へのお礼が書かれていることも多いです。
ですから、「序章」がない場合は、第1章から入っていく方が間違いないと判断しています。

 

●「序章」が、2、3ページならば、そこを7分間読んで、本の概要をつかむことは容易です。
ところが、「序章」が10ページも20ページもあると、大学生であっても7分間では読めません。こういう場合には、読めるところまで読んで、自分が読めたところを、 「3行整理」で箇条書きにしてください

●かつて「あらまし読みシート」で、「3行要約」してくださいと課題を出したことがありました。この時、学生さん達はざわつきました。すべて読まないと、要約はできません。20ページを7分間しかないのに、どうやって要約するのだろうと、当時の受講生は戸惑ったようでした。
そこで、私はつぎの方法を勧めました。「序章の最後まで読めなくても、読みながら、重要そうな「語句・短文」をどんどん箇条書きしていき、6分間読み進めてください。最後の1分間で、読めたところから、3つを選び、赤で囲む」という方法です。
読めたところで、わかったことが見つかれば結構です。入試問題のように正解は一つではありません。自分が読めたところまでが正解になり、それが1つでも見つかれば結構です。
自分のなかに、なにか不満が残ったら、別の時間を自分でみつけ、「序章」をもう一度すべて読み、メモを加えておきましょう。あくまでも、読み手自身の気持ちで判断してください。自律した読み手になっていくことが重要です
どこまで時間をかけて読むのか、それはすべて読み手の判断にあると考えています。

●こうした箇条書き活動も、何冊か「あらまし読み」していくうちに、掬い読み(skimming)が上手くなり、時間内に最後まで視線を落とせるようになっていきます。最近は、「序章」から読者へ強調文字で重要語を書き出してくださる本も出てきました。
本全体をつかみやすく工夫して書いてくださる著者さんも多くなってきました。
「序章」ぐらいは、すべて読んでおかなければと感じたなら、「あらまし読み」を全体終えてから、2度読みのときに、もう一度「序章」の読めなかったところを読んでみることもいいでしょう。
いま、「あらまし読み」を始めたばかりの生徒さん、学生さんは、階段を上り始めたばかりです。1年の24冊ぐらいを超えたころから、自分の読みの集中度がほんとうに変わるのではないでしょうか。焦らずに、読む力をつけていき、自分の得意なジャンルを増やしましょう。

 

 

●1、2ページに一つのまとまりの節や段落があります。そのまとまりは「文章の結束性」を表しています。そこに「小見出し」があれば、その「小見出し」を活用します。また、まとまりのある文章の始めか、最後に、結論を示す接続表現(「こうして」「以上から」「結果として」「~のだ」文など)などを手がかりに、キーセンテンスを探していく力をつけていくことが重要です。

●「序章」の内容を箇条書きにすることは、本を俯瞰的にとらえるために重要です

●目標の「思考」や「レポート作成」にはまだまだ距離があります
完璧主義に陥らず、時間のなかで切り捨てながら活動しましょう

●最終目標は、いくつものレポートを書き終えて、「自律した読み手」になることです
「自律した読み手」になるまでには、かなりの努力が必要でしょう。ヒトによって、その時間のかかり方は異なっています。らせん状に自分の変化が感じ取れるようになったら占めたもの!!

 

➡ つぎの節は、

Ⅰ「あらまし読み」実践 5「STEP3」

「興味読み」のマップ描きと振り返ることです。

「マップの描き方」は、「Ⅱ よくある質問」の中にも説明しておきました。